周の穆王の時代の都、人々が平和な御代をたたえている時に、桃の枝を肩にした美しい女が皇帝の前に現れます。女は、これは三千年に一度だけ花咲き実生る桃で、今めでたいこの御代にこそ誠に相応しい物と皇帝に捧げ、我が身は西王母の分身であると名乗り、今度は桃の実を捧げましょうと去って行きます。その後、侍女に桃の実を持たせた西王母が現れ、皇帝にその桃の実を捧げ、美しい舞を舞います。
準備中
主人に許しを得ず、勝手に休みをとってどこかに出かけた太郎冠者。当然主人の怒りにふれますが、富士参詣に行ったと主人のお許しをいただきます。しかし、持ち帰った見事な富士松に目をつけられた太郎冠者は、主人に連歌の付け合いを強いられます。松を獲られてはなるまいと、連歌の応酬が見所です。
大原の良忍上人が、奈良の「耳成山」の麓を通りかかり、土地の者から「畝傍山」「香久山」と合わせて三山ということを聞きます。そこに一人の女が現れ、昔、香久山にいた公成をいう男が、耳成山の桂子と畝傍山の桜子という二人の女に二道を掛けて通ったことを語り、桂子は耳成山の池に身を投げて死んだことを語ります。上人が桂子の菩提を弔っていると、先に桜子の霊が現れ、追うように桂子も現れると、うわなり討ちの争いを見せますが、二人共成仏して去って行きます。
舞台は吉野山、時は壬申の乱。大友皇子に追われ、山中に分け入った浄御原(天武)天皇一行の前に船に乗って現れた老夫婦は事情を聞き、空腹の天皇のため鮎の塩焼きと根芹を提供します。追手が現れると天皇を船の陰に隠し、追手の二人を気丈に追い返します。老夫婦の振る舞いに天皇一行が感心し、静かに過ごす内に妙なる音楽と芳しい香りが満ちて天女が現れ舞を舞います。舞の後、蔵王権現が姿を現し、天皇を励まし将来を祝福して去って行きます。小書きは、後シテの常の赤頭が白頭に変わり、位が重くなります。
お寺の住持が新発意に清水へ水を汲んでくるように命じますが、新発意は断ります。仕方がないので住持は門前の伊茶にお願いをします。以前より伊茶に思いを寄せていた新発意はあとをつけ、水をくむ伊茶に小歌まじりに求愛し戯れます。伊茶の帰りが遅い事を心配した住持が見にくると・・。