七月 宝生会特別公演

2025年7月21日(月・祝)午後1時始

能「草紙洗 乱拍子」

宮中で歌合せの会があり、その前日小野小町は「水辺の草」という題に浮かんだ歌を短冊に書き入れようとしていました。一方、歌合せの相手に定められた大伴黒主は、小町に勝つ自信がないので、小町の邸に忍び込み、歌を聞き取り、万葉集にその歌を書き加えて歌会に臨みます。翌日、披露された小町の歌を、黒主は万葉集にある古歌と言い張り草紙を小町の前に突き付けます。よくよく草紙を見た小町は不自然な墨付きに気づき、草紙を洗うと文字は流れて消え失せ、自害しようと座を立つ黒主を呼び止め、小町も疑いが晴れて舞を舞います。小書「乱拍子」後シテは緋色の長袴に唐織の壷折姿で出、物着で舞衣に着替えて乱拍子になり、途中からめでたい文句を謡いながら舞い続けます。この小書は宝生流にしかありません。


狂言「才宝」

長寿めでたい才宝という祖父をもつ三人の孫たちは、烏帽子を着せてもらおう(成人としての名前を付けること)と祖父の家を訪ねます。久しぶりの来訪を喜んだ祖父は、願いを聞き入れそれぞれに相応しい名前を付けます。祝儀の盃事が始まると、孫たちや祖父も舞を舞い賑やかな場となります。